Columns|コラムシリーズ7【自分で事業を立ち上げたい人へ】全9回

第9回(最終回) 終わりに

 本シリーズも最終回となりました。

 8回に渡って、私の経験を踏まえて小さな株式会社をつくる過程を軸にしながら、

自分で事業を起こす手順をご紹介させていただきました。

整理された手順は、ネットを調べればもっと丁寧にまとめているものがたくさんあると思います。

これを機会に自分で調べ始めたりしたら、

それで私のこのコラムは一つ役割を果たせたかと思います。

 事業をするにあたって、

私が思う大切な要素は「自立と覚悟」と最近思っています。

「自立」については以前コラムで連載させていただきましたが、

「他責」でなく「自責」の姿勢をもつことで、

自らを動かし課題を克服していく姿勢です。

 一方「覚悟」ですが、

第1回で「最後の1人になってもやりきろうとする責任と覚悟」という点にふれました。

事業ですからうまくいくかは正直やってみないとわからないところがあります。

万が一うまくいかずたたむことになった場合、

それでも這いつくばってどんな仕事をしてでも生き抜いてやる、

という気持ちも「覚悟」だと思います。

私は「事業に失敗したら、人が集まらないと言われている飲食店でフロアにたち時給1,500円で働けば生きていける」

と覚悟を決めました。

(注:時給額については当時のイメージで実際は企業、店舗によってまちまちです)

だから、「この仕事をなくしたらどうしよう」という弱みを持ちません。

自分がベストを尽くしてなくなったらなくなったで仕方がない、と思えるのです。

全部なくなっても生きていけますから(^^)

 この「自立と覚悟」は本当に自分の支えになります。

 シェアハウスの運営を始めて4ヶ月ほど経った時、

任せていただいている2つのシェアハウスの入居率が思わしくなかった時期がありました。

さすがに委託元からは「入居率をあげる具体的な施策を説明して欲しい」と言われました。

当時の状況でこちらにも言い分があるにはありましたが、

「あいつが悪いとかなんとか言ってたら状況は変わらない」と思い、

どうやったらお客さんに関心をもってもらえるか、必死で考え行動しました。

前職時代に「なぜ予算計画をもっとあげられないか」

と突き上げられていた事業計画の会議を思い出しゲンナリしそうでしたが(笑)、

自分でなんとかしようという気持ちを全面に出したことで、

課題を突破する力が出てきた気がします。

 トラブルがあったときは、

早く解決したい気持ちがメラメラと出てきたのですが、

「事を急いては仕損じる」と言い聞かせて、

早まった行動をとらないようにするには、と考えたら

「とことんこのトラブルに付き合おう」と開き直ることに行き着きました。

その場は解決しても、その後に遺恨を残したりするとそれが火種になって

新たなトラブルを引き起こしかねません。

火種を絶やすにはじっくり鎮火させる必要があり、

そのためには覚悟を決めて、とことん付き合うしかないと覚悟を決められました。

解決には少々時間がかかりましたが、

私としては火種を絶やし鎮火できたのでは、と感じています。

 どちらも決して楽ではなかったです。

でもこういう課題は事業を起こすといつでも起こりえます。

いつでも辞めることはできます。

でもやめたら文字通り事業はおしまいです。


 最近「GRIT」という言葉を耳にするようになりました。

「やり抜く力」です。意識、無意識に関わらず自立して覚悟をきめてやり抜くことが、

その道のプロフェッショナルになるために必要な力だそうです。

 私も「やり抜く」ことを目指して一歩一歩取り組んでいきたいと思います。



次回からは新しいシリーズです。



「第8回 持っていたほうがいい技量」

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