Columns|コラムシリーズ8【事業計画の初歩の初歩】全7回
第4回 経費(変動費)
前回は「売上—経費(変動費)—経費(固定費)=営業利益」でいうところの
「売上」の計画のたてかたについてお話しました。
今回はこの中で「経費(変動費)」についてお話します。
まず「経費(変動費)」の()の中身が気になりますよね。
「変動費」と「固定費」。
ものが売れる都度にかかる経費を「変動費」といいます。
たとえば材料費とか、包装材とか、運送費とか。
一方、売れる量にかかわらずかかる経費を「固定費」といいます。
家賃とか、人件費とか、設備費とか。
今回は「変動費」に焦点をあててみます。
これは仕入れからお客様の元にお届けするまでの流れをよく理解する必要があります。
どうやって材料を手に入れてどうやって加工し、
どうやって提供するのか、という流れです。
前回も取り上げた
「単価10,000円で1ヶ月あたりの販売が20個で1年間同じペース」
という事例で考えてみましょう。
単価10,000円の物を販売するのであれば、
変動費は以下のようなものが考えられます。
・ 調達費用:商品そのものを仕入れるとか、自社で材料から加工して製造するとか
・ 付加費用:商品を包む包装材とか配送するのであれば配送費用とか
今回の事例でみてみましょう。
商品を5,000円で買ってきました。
それに500円の包装紙で包み、1,000円かけて配送するとしましょう。
・ 商品を仕入れる5,000円
・ 包装紙の500円
・ 配送料の1,000円
・ 合計6,500円
これが経費(変動費)です。
売上からこの経費(変動費)を差し引いたものを売上総利益(通称粗利)といいます。
この場合10,000円—6,500円=3,500円が1個あたりの粗利になります。
他に経費がかからなければ最大これだけの分が利益となります。
この粗利の合計が大きければ、他の経費(固定費)をカバーすることができます。
他に例えばアドバイザーというサービスを考えてみましょう。
物の提供ではないので、何かを仕入れるということはないですね。
せいぜいその時に配布する資料のコピー代、
それと移動するときの交通費くらいでしょうか。
・ コピー代 10円x10枚=100円
・ 交通費 電車代 往復500円
と仮に前提としておくと、
経費(変動費)は100+500=600円、粗利は10,000円—600円=9,400円です。
先の例に比べると粗利は大きいですね。
ちなみに私のシェアハウスの場合、
水道光熱費は別扱いなので、
基本的に経費(変動費)は存在しません。
あえていえば月に一度シェアハウスの交流を目的とした懇親会の費用くらいでしょうか。
物を販売する物販、飲食店などは元々の商品や材料を仕入れることが必要なので、
ここの経費(変動費)をいかに小さくするかが大きなポイントです。
安いところから仕入れているか、無駄なく仕入れているか、
コストダウンできる余地があるか、
こういったところが事業計画時のチェックポイントとなります。
次回は経費(固定費)についてお話します。